成功企業と最新事例から学ぶ 「カスタマー サクセス最前線#2」〜SmartHR稲船氏・Repro孫氏がファン作りやコミュニティ形成の秘訣を大公開〜

2023-07-24 イベント

2020年1月16日に開催した『サブスクモデルが熱狂的ファンを生み出す秘訣【カスタマーサクセス最前線 #2】』にて、カスタマーサクセスやコミュニティに注力されている2社のご担当者様に登壇いただきました。当レポートでは、そのイベントのパネルディスカッションの内容をお届けします。

<登壇者プロフィール>
稲船 祐介 氏 (以下 稲船)
株式会社SmartHR カスタマーサクセスグループ マネージャー

孫 彗智 氏 (以下 孫)
Repro株式会社 コミュニティマネージャー

小父内 信也 氏 (以下 小父内)
Sansan株式会社 Eightコミュニティマネージャー 兼 株式会社Asobica CCO

サービスにおける、ファンの定義とは

小父内 : よろしくお願いいたします。本日のテーマは、「ファン作り・カスタマーサクセス・コミュニティ形成」についてです。
お二方のサービスにおける、ファンの定義とは何ですか。

: 「好き」と「応援したい」気持ちを兼ね備えている人です。具体的には、誰かの指示ではなく、自身の意志で能動的にツールを使いこなしている状態を「好き」と定義しています。その上でサービスの成長を望み、応援してくれる人をファンと呼んでいます。

稲船 : SmartHRは他の人事労務系のサービスが未解決だった、隙間のインサイトを埋める形で登場しました。そのため、SmartHR独自の世界観やメッセージ、ビジョン等に共感してくれている方をファンだと思っています。

小父内 : ファンを作る上で工夫していることはありますか。

: サービスの評価や顧客満足度を上げるために、顧客の期待を超え続けることです。例えば顧客の想像以上にカスタマーサクセス担当者が密にやり取りをしたり、必要な機能要望があがれば即座に実装したりしています。

稲船 : 間接的に顧客と接点を作り、サービスをご利用いただいている感謝の気持ちを込めて、イベント開催時にノベルティグッズを配布しています。こうした施策が結果的に、サービスのブランディングに繋がっています。

ロイヤルカスタマーの定義

小父内 : ちなみにロイヤルカスタマーを定義する上で重要な指標はありますか。

: 顧客の要望は顕在化していないニーズであり、未来を見据えたトレンドになりうるので、機能要望をたくさん出してくれる方をロイヤルカスタマーと定めています。

小父内 : カスタマーサクセスの体制についても聞いてみたいと思います。もし立ち上げ初期のカスタマーサクセスチームを率いるとしたら、意識することはありますか。

稲船 : もし私がそのような立場になって意識することは、2点あります。1点目は、KPIやオンボーディングの期間等を経営陣とすり合わせることです。なぜなら経営陣が求める基準と差異があるまま前進してしまうと、経営陣が想定していたスピードで進まず、その後事業として上手くいかない可能性があるからです。
2点目は、解約から学ぶ文化をチームに根ざすことです。解約を防ごうと、顧客に対してヒアリングや説得をしようとしても、サービスのイメージが悪くなるだけです。ですので契約期間の段階で、解約された理由を素直に聞けるような関係性をあらかじめ築き、もし解約されてもその理由を聞き今後に活かすことが重要です。

オンボーディングの秘訣

小父内 : オンボーディングで意識していることはありますか。

: カスタマーサクセスが過度にサポートしすぎないことです。資料作成やノウハウ提供に時間を費やしてしまうと、資源の投資効率(費用対効果)が悪いです。そこに時間をかけるのではなく、どうすれば自社のサービスで解決できるかを考えています。Reproでは対面で会う工数を減らすために、オンラインコミュニティでもサポートしています。

ユーザーコミュニティ形成で意識している事

小父内 : 先ほど、コミュニティを活用していると仰っていましたが、ユーザーコミュニティを形成する上で意識するべきことはありますか。

:顧客のニーズを把握せず、運営メンバーの想いだけでテーマを決めてはいけないということです。私たちの顧客は男性の方が多いため、対照的に希少性があり、テーマとして面白いのではないかと思い、女性限定のユーザー会を開催したことがありました。しかし、新しい知識を手に入れたいという想いが強い方が多く、誰かと交流したいというニーズがなかったため、満足度が低い結果になりました。

稲船 : 社内のメンバーは、ユーザー会に目的なく参加しないということです。顧客と交流するために、ユーザー会に社内の多くのメンバーが参加したことがありました。しかし終了後のアンケートにて、「運営者と話したかったのではなく、もっと顧客同士で話し合う機会が欲しかった」という意見が多数寄せられました。この経験から私たちは、顧客同士の交流をメインとしたコミュニティにしようと決めました。

小父内 : 小さく始めるのであれば、コミュニティは目的を定めず開催してもいいと私は思います。よくコミュニティは定量的な数字が見えにくく、社内を説得しづらいと言われますが、小さく始れば失敗することはないし、すぐにやめることもできます。
顧客とコミュニケーションをとることで、現状の課題や機能に対する意見等も教えてもらえます。まずは気軽に何人かの顧客とご飯に行ってみましょう!

Shinya Kojiuchi

株式会社Asobica CCO
2010年、名刺管理システムのSansan株式会社に入社。データ化部門責任者を経て、名刺アプリEightのコミュニティマネージャーへ。現在は、株式会社AsobicaにCCOとして参画中。

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