【コロナ対策/緊急調査】カスタマーサクセス担当者のリアル

2023-04-11 イベント

CXinでは、CSカレッジ(カスタマーサクセスコミュニティ)と共同でカスタマーサクセス担当者に緊急アンケートを実施。新型コロナ並びに緊急事態宣言の影響と対策について調査した。本記事では調査を元に、カスタマーサクセス担当者のリアルに迫り、今後の対応策について考えていく。

顧客との連絡が取れない上に、解約・停止が増加傾向

▼アンケート回答者について

アンケート回答者についてのイメージ画像
現在実施している顧客支援方法について
※出所:アンケート実施によりCXin編集部が作成
新型コロナがカスタマーサクセスに与える影響度合い

アンケート回答企業60社の内、85%の企業が影響を受けていると回答。

新型コロナがカスタマーサクセスに与える影響
※出所:アンケート実施によりCXin編集部が作成

最も多く上がったのは「サービスの解約・停止が増えた」・「顧客との連絡が取れない・取るのが難しくなっている」だ。ある企業の担当者は「大手になる程、オンライン会議のアポに至らない。そもそも連絡しても返信がないケースも多い」と語る。

また、解約の可能性が高い顧客に対して「売上低下に伴い予算削減の可能性がある中で、どのような提案が最善か読みづらい」という悩みがある事も明かした。

その他には、「アップ/クロスセル・エクスパンションができない・難しくなっている」や「導入セミナー・ユーザー会などの実施が難しくなった」「CSチーム内での情報共有が難しくなっている」といった点が挙げられた。

調査結果を受けて分かってきたのは、カスタマーサクセス担当者が抱えている問題や悩みは、”顧客”に関するものと”社内”に関するものの2種類があるという事だ。顧客に関する問題は、「連絡が取れない」や「やりとりの密度が落ちる」など”コミュニケーション”に関するものと、顧客側への新型コロナの悪影響により「サービスが活用されない」や「課題解決ができなくなる」など”サービス”に関するもの2つが主に挙げられる。

顧客側も社内側も、コミュニケーションの部分は始めて受けた人間ドックで発見される癌のように、もともと水面下で存在していた問題がコロナにより明るみに出たものが多い印象だ。

逆に顧客のサービス活用の部分は、新型コロナにより「対面接触ができなくなる」という影響を受けた営業や採用業務または小売や飲食業界に関するものが多く、それに伴い社内の業績に対する危機感の高まりから、会社の方針が業績維持に傾きすぎたり打開策が見いだせずに思考停止に陥ってしまったケースが散見された。

顧客が自ら解決できる動線作りを強化

コロナの影響を受けて今後カスタマーサクセス担当者はどのような事が求められるのか。実施した対策についても聞いてみた。

最も多く上がったのは「サポート手法を変更した」だ。具体的には、”オンラインMTGの強化・開始”及び、”自己解決の動線の強化・開始”が特に多く見られる。

(▶︎回答例:「セルフサーブのためのコンテンツづくりに力を入れた」「顧客に自走していただくために、動画等のコンテンツを充実させた」「リモートでの打ち合わせには打ち合わせ資料を全て送るように変更した」「オンサイトトレーニングをオンライントレーニングに切り替えた」「オンボーディングが訪問メインだったが、全てオンラインに切り替えた」)

電話が繋がらない、訪問ができない、あるいは勉強会が実施できないなど顧客との連絡が取りづらくなる中、人的解決ではなく自己解決(顧客自ら学べる仕組み)の重要性がより一層増しているようだ。

新型コロナの捉え方は”危機感とチャンス”の2種類

今回の調査で明確になったのは新型コロナの捉え方が担当者によって異なっているという点。危機感を抱いている人は、「今までのやり方は通用しない」や「新しい方法が必要だ」という変化を求める傾向が強い。また「今までやるべきだったが出来ていなかったことのツケが回ってきた」という、元々存在していた問題が露呈し、改めて警鐘を鳴らす人も少なくない。

(▶︎回答例:「アフターコロナを見据えた設計をしていかないといけない」「過去の成功事例も未来には通用しない」「コミュニティを通じたコミュニケーションにシフトすべき」)

逆にチャンスと見る人は、「今こそCSを推進すべき」や「業務の線引きをせずあらゆる面で顧客を支援しよう」と言ったカスタマーサクセスを加速させる機会と捉えている。そして「これを機に顧客支援の方法や戦略を切り替えられる」と言ったポジティブな方針転換のきっかけにするという声も多い。

(▶︎回答例:「テックタッチやオンライン完結の施策への切り替えのチャンス」「今こそ事業全体で顧客ファーストのマインドを持って全社でCSしていく」「この機会に、顧客と話し合い”成功の定義”を見直そう」「自社サービスの枠を超えて支援するために何ができるかを再考すべき」)

ひとつユニークだった声は、「先んじて顧客に何ができるかを考え、積極的に連絡を取っていくのも良いが、顧客側も混乱したり方針を再策定している時期なのも事実だから、時にはリアクティブに顧客のアクションを待ってあげることも大事」というもの。顧客に連絡してもメールが返ってこないと嘆いている方は参考にしても良いかもしれない。

今こそ、カスタマーサクセスを強化し顧客と向き合うタイミング

新型コロナによる緊急事態宣言を受け、顧客に対する価値提供の最大化が求められている。これまで以上に限りある予算・シビアな選択を各社迫られる中で、不要なサービスは企業からの解約を余儀なくされる。それを危機と捉えるか、チャンスと捉えるか。

そして、現状を維持するのか、今こそ顧客との向き合い方を変え、顧客への価値最大化を図っていくのか。カスタマーサクセスのあり方が問われている。

(※本メディアでは今回実施したアンケート調査を元に、カスタマーサクセス担当者が取るべきアクション・強化すべき点について、共に考えるイベントを6月9日に実施する。参加者はアンケートに回答頂いた60名限定になるが、そこで議論された内容を元にカスタマーサクセスに関する情報を引き続き配信していく予定だ。)

今田 孝哉

2015年ファインドスターグループ(スタークス株式会社)に入社。CS領域におけるSaaSサービスの立ち上げに従事し、500社以上のカスタマーサクセス部門を支援。2019年4月には、30歳以下のアジア次世代リーダー「Forbes Asia Under30」に選出(@kouya5724)

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