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サブスク時代における、収益拡大の秘訣とは!? 〜成長企業が実践する、受注から解約抑止までの施策を一挙公開〜

2021年6月15日に開催したオンライン対談イベント『サブスク時代における、収益拡大の秘訣とは!? 〜成長企業が実践する、受注から解約抑止までの施策を一挙公開〜』では、Zuora Japan株式会社より溝口雄太氏、ベルフェイス株式会社より清水貴裕氏、株式会社Asobicaより奥村達也氏にご登壇いただきました。

今回イベントに参加できなかった方にもお楽しみいただけるよう、本レポートではイベントの内容をダイジェストでお届けします。

溝口雄太 氏(以下、溝口)
Zuora Japan株式会社  サブスクリプションエバンジェリスト

清水貴裕 氏(以下、清水)
ベルフェイス株式会社 エンタープライズグループ ゼネラルマネージャー / 事業企画室長

奥村達也 氏(以下、奥村)
株式会社Asobica セールス統括

清水:私はベルフェイスでエンタープライズ領域の金融・通信系の責任者をしており、企画やアライアンス領域にも携わっていて幅広く活動しています。

ベルフェイスは、製品を提供するだけではなくて、運用のノウハウやセールスコンサルティングといった幅広い範囲でお客様を支援し、お客様がオンライン商談をきっかけに営業の仕組み化や売り上げの向上に繋げられるようサポートしている会社です。

マーケットや事業フェーズによって取るべき営業戦略は変わる

私からはサブスク事業者が営業で注意すべき事を中心にお話しいたします。大切なことは、マーケットや事業のフェーズによって営業戦略が変わるということです。

(清水さん作成資料より、抜粋)

イノベーター層では珍しさから購入していただく方が多く、競合もまだ少ないため新しい考えを伝えることが大切になります。また認知が薄く販促費用もかかるため、営業力が非常に大事です。ビジョンセリングのような営業方法と相性が良いです。

次にアーリーアダプターとして徐々に小さなマーケットの中でも先進性が認められるようになってくると、そのマーケットにおいてNo.1になることが大切です。そこでプロダクトセリングのように、プロダクトが他社とどう違うのかを十分に説明することが大事です。先進的なお客様が多いので、顕在課題に出会うことも多いフェーズです。

そして次のフェーズとの間にあるキャズム(深い溝)を乗り越えてマジョリティ領域に入ると急に顧客層やニーズの変化が訪れます。顕在課題よりも潜在課題が多くなり、受注率の低下が起こります。お客様ご自身が課題が何であるかを理解できず悩んでいらっしゃる場合が多いため、ソリューションセリングやビジョンセリングが有効です。

最後がレイトマジョリティ、ラガード領域ですが、成熟の中に新しいマーケットをどう作るかやクロスセル、アップセルが重要です。離脱をいかに防ぐかも重要なフェーズなので、カスタマーサクセスから営業戦略をどうしていくかが鍵です。

複雑性と提供金額によっても戦略は異なる

フェーズによって営業戦略が変わることをお伝えしましたが、ここからは複雑性と提供金額によってもとるべき戦略が異なるというお話をいたします。

低単価で複雑性の低いサービスは、比較的ウェブタッチで売りやすいです。そのためプロダクト営業で他社との違いを説明しながらもオンライン営業でROIを合わせていくことが大切です。

高単価で複雑性の高いサービスは、お客様への丁寧な説明が求められるので、リードタイムが長くなったり商談の複雑性が上がったりします。また、例えば複数のステークホルダーに営業する場合に、時には対面ではなくオンライン営業で適切にカバーしていくことが必要です。

まとめると、事業フェーズやサービス特性を考えて自社の営業がどういう営業をすべきか考えることこそが営業戦略の最重要意思決定事項の1つと言えます。新しいサービスを提供しているサブスク事業者こそ、しっかりとした検討が必要になります。

サブスク事業者が営業で注意するべき3つのポイント

次に、サブスク事業者が営業で注意すべきことについてお話しします。大きく分けて3つあります。

追客で信頼を得て継続的な関係性を構築

まずは追客の重要性です。営業はお客様が来店したりこちらから訪問したりすることが多いと思いますが、1回で受注できることは中々ないと思います。そのため、商談の最後にしっかりと次の約束を取り交わすことが非常に大事です。

新人のセールスさんは複数回商談を実施することを想定せずに1回で決めるつもりで話をしてそこで終わってしまうことがありますが、お客様は商品を購入する際に複数の商品を比較検討なさいます。そのため、その後の動き方のスケジュールを明確にし、信頼関係を築いていくことが大切です。

それから、その際にメモを画面共有してプレゼンすることをおすすめします。つまり、文字を見せながらお客様と内容の合意をとるということです。間違っていた場合には指摘をいただけますし、テキストをお客様に見せることが合意のエビデンスになります。メモを見せるという点においてオンラインでその場で送ることが適していますが、オンラインにせよ対面にせよしっかりと文字でお客様と認識をすり合わせることは大切です。

追客におけるもう1つのポイントに、約束をする、守るということがあります。昨今ではサービスで他社との違いを出すことが難しい時代になっています。そうなった時に少しでもお客様との信頼関係が築けていれば良いのですが、そのためには商談や電話の際に交わした小さな約束を、次のタイミングできちんと果たすことで信頼を得ることが重要です。

決めた約束を守るためには、やはりメールやSFAなどのシステムをうまく活用してリマインドされるような仕組み作りが必要です。約束を守れないことが機会・信頼の損失につながることは間違いありませんので、きちんと約束を守ることが大切です。

レコログ機能で明らかになった営業力向上の秘訣

(清水さん作成資料より、抜粋)

次に録画についてお話します。当社サービスには商談を録画するレコログという機能があり、それを使って新卒からリーダークラスまでのメンバーを比較して可視化したところ、営業経験が長いほど商談の後半でネクストアクションに割く時間が長いことがわかりました。録画して営業の構成力を見ていくことで、営業力が上がっていくと考えられます。

分業体制の落とし穴に要注意

(清水さん作成資料より、抜粋)

最後がThe Modelの注意点を把握することです。SaaS営業の悪い例が、顧客からの期待値と温度感が急速に上がった後、受注した途端に営業の温度感が急降下して、カスタマーサクセスがあとからついてくるような形になりますが、ここにクレームが発生します。つまり、ここでの営業側の温度感とお客様側の温度感にはるかにズレがあるんです。

(清水さん作成資料より、抜粋)

正しい形のポイントは3つあり、①顧客の温度感を高めても期待値を上げすぎないこと、②CSの温度感を早めに上げておくこと、③温度に差分が出ないようにきっちり引き渡していくことが非常に重要になります。

The Modelの分業体制ではまさに案件を渡していくタイミングで温度差や期待値の差でトラブルになりやすいため、非常に有効な策ですが分業の境目に注意することが大切です。

サブスク事業運営において営業方法をどうするかは非常に重要です。単価・フェーズを見て様々な営業方法を試してみてください。

 ベルフェイスのサービスサイトはこちら


溝口:収益化のためのプライシング戦略についてお話いたします、Zuora Japanの溝口と申します。セールスフォースで従業員数が一定以下の企業のビジネス推進を行い、現在Zuoraでは様々な企業のDXによるサブスクリプションビジネスへの変革を支援しています。

弊社は「プロダクト販売モデル」から「サブスクリプションモデル」へのビジネス変革における「収益向上」と「コスト削減」の支援を行っており、設立してから世界で1,000社以上ご支援しています。

意外と理解されていないサブスクリプションビジネスの本質

それでは、サブスクリプションビジネスで成功するために必要な考え方についてお話させていただきます。

弊社は業界関係なく様々なお客様にご利用していただいており、SaaS分野ではセールスフォース、Zoom、Boxさんなど、急速に成長している企業様の収益化におけるデファクトスタンダードとしてご利用いただいています。実は、最初からサブスクリプションを正しく理解しているお客様はなかなかいません。多くの企業様でサブスクリプションの取り組みが始まっていますが、サブスクリプションビジネスを正しく理解しないとなかなかうまく収益化ができません。

従来のプロダクト販売モデルのまま、課金形態を月額課金に変えた場合失敗します。従来の関心がプロダクトがどれだけ売れるかだったのに対して、サブスクリプションモデルでは契約してからもお客様の利用状況や満足度、企業への関心度を高めていく必要があり、全く異なるビジネスモデルであることを理解しなければなりません。

サブスクリプションで成功するための3つのポイント

サブスクリプションで成功するためには大きく分けて3つの要素があります。まずは①顧客を獲得すること、そして②顧客単価を増やし収益化すること、最後に③解約率を削減することです。

(溝口さん作成資料より、抜粋)

こちらの図はサブスクリプションで成功するためにどうすればよいかを表したもので、横軸が契約期間で、縦軸が金額です。限りなく横軸を伸ばしながら縦軸を上げられると成功です。横軸が切れることは解約を意味するので、金額と価値のレベルをうまくアジャストしていきながら横軸を伸ばしていくことで収益化することがベストプラクティスとなります。

なぜアジャストする必要があるかというと、お客様のニーズが時間とともに変わり続けるからです。

サブスクリプションで成功している企業様は、まずは入りやすいプランを用意して顧客獲得を行い、ユーザーのニーズを聞いてサービスを追加しながら収益化していきます。

月額課金モデルの場合、サービスを利用し続けるか解約かの2つのプランしかないため、この面積(図のグレーの部分)を最大化することが非常に難しくなります。なので、サブスクリプションの本質とは、単に月額プランを1個用意するだけではなくて、最適なプランを提供し続けてこの面積を最大化することです。我々はサブスクリプション・ジャーニーと呼んでいます。

成長企業に共通する10の戦略のうちの1つ「プライシングの最適化」

SuperGrowerと呼ばれている成長率の高い企業様が我々のお客様にいらっしゃいますが、10個の共通した戦略をとっていることがわかりました。今回はそのうちの1つであるプライシングをご説明いたします。

Zendeskさんの事例をご紹介します。非常にうまくプライシングの最適化をしながら企業規模を拡大してきた企業様で、顧客単価を上げるための施策や、新しいマーケットに対してどういったプライシングのパッケージでリーチしていくかなどを非常に研究されていらっしゃるので、その戦略を見ていきたいと思います。

まず2010年がSMB市場をターゲットに模索していたフェーズになります。多くの機能を次々にリリースし、既存のお客様の単価増を狙うために値上げをしたところ、かなり不評であったそうです。年間契約の顧客だけは価格を維持して月額の顧客だけは強制的に値上げしたことなどから、お客様からのフィードバックが良くなくて、結果的に価格を元に戻したということで、非常に苦労した年であったと聞いております。

そこでZendeskさんは、顧客と直接意見交換を繰り返して適切なプライシングを設計することで最適化を図りました。

そして翌年の2011年には、エンタープライズ市場に展開しました。エンタープライズ用の機能をリリースし、上位プランを作成して4つのプランを実施したところ、かなりうまく機能しました。クラウド企業の約60%は3つ以下のプランの階層しか定義をしておらず、かつ4つ以上の階層を定義している企業はARRの成長率が3つ以下の企業に比べて25%高くて販売時の割引率も低くなっているというデータがあります。このデータの通りZendeskさんもかなり売り上げを上げた年となりました。

さらに2012〜3年には、IPOに向けた市場開拓をするためにスターターを廃止して、機能追加と共に若干の値上げを実施しました。全体に対して1つのプランを売り込むだけでなくて、企業のタイプや規模に応じてソリューションがどのように機能するのかを明示することで、より多くの市場を獲得しました。以上が自社のマーケットの戦略やビジネスのフェーズに応じたプライシング戦略を行うことで新規顧客を獲得していったという事例になります。

(溝口さん作成資料より、抜粋)

このようにプライシングを変更したりサブスクリプション・ジャーニーを実現するには新しいシステムが必要です。サブスクリプションモデルは顧客のニーズによってランダムに発生する複雑な販売プロセスであり、従来のプロダクト販売モデルでデザインされているシステムではなかなか対応できないため、新しいシステムが必要となるのです。

そしてその悩みを解決できるのがZuoraのソリューションになります。プライシングの戦略から契約管理、請求、回収、レポート・分析、売上管理をトータルで支援しながら、人手がかかっていた箇所を自動化して効率化を図ることができます。

我々はサブスクリプションの管理のプラットフォームを10年前からグローバル規模でサービス提供しているという実績がございます。また、お客様からのご要望を受けて毎月のバージョンアップを10年間連続で作り続けており、収益化のノウハウが続々と蓄積されてきており、それを我々はSaaSで提供しています。

既存の成長スピードに加えて新規顧客獲得の加速をしていく、そして収益化を実現し、解約率を削減していくと同時に業務の自動化・効率化をしていくことがZuoraの価値です。

 Zuoraのサービスサイトはこちら


奥村:株式会社AsobicaでBizDevを担当してビジネスサイド全般に関わっております奥村と申します。前職がマネーフォワードで、SaaSに長く携わっています。

Asobicaは「coorum(コーラム)」というカスタマーサクセスのプラットフォームを提供している会社です。私はそこで今まで50社以上のお客様のカスタマーサクセスをご支援しております。

私からは解約抑止における最も重要な点であるカスタマーサクセス、顧客の成功についての考え方についてお話いたします。

カスタマーサクセスの原則は「ゴールと道筋を100%理解しているお客様は必ずサクセスする」

まずカスタマーサクセスは「ゴールと道筋を100%理解しているお客様は必ずサクセスする」というのが原則です。ゴールとは商品を購入した理由や、目標や実現したい世界観など、いわゆるWhyコンテンツと呼ばれているものです。道筋とは、そのゴールに辿り着くためのやり方や方法論のようなHowコンテンツと呼ばれているものです。

「ゴールと道筋を100%理解しているお客様は必ずサクセスする」とは、言い換えるとWhyコンテンツとHowコンテンツをあらゆる方法(タッチポイント)で顧客に100%届け、理解していただくことが大変重要になるということです。

カスタマーサクセスで利用されるツールは基本的に2種類に分類でき、1つ目はハイタッチ強化系、2つ目がテックタッチ強化系です。1つ目はハイタッチメンバーの生産性向上に用いられるツールで、人の強化を中心にCTA最適化を行うものです。2つ目が新しいサクセスチャネルを追加して顧客のセルフオンボーディングを支援していくタイプのツールで、人数やフェーズに関係なく幅広いお客様がご利用なさいます。今回はテックタッチ強化系ツールについてお話しします。

適切な理解を促し100%コンテンツを届けるには、「適切に顧客タッチポイントが整理できているかどうか」が非常に重要です。WhyとHowが100%お客様に到達できていればお客様は必ず成功するので、各タッチポイントでの到達率の測定と、お客様の理解率の測定が重要になります。

(奥村さん作成資料より、抜粋)

タッチポイントで扱うコンテンツには、サービスマニュアルやオンボーディング資料、キックオフ資料、それからリリース情報、顧客インタビュー、成功事例などがあります。これらのコンテンツはWhyとHowに分解できるので、それぞれの軸に従って提供できているかや、デリバリー方法と組み合わせてどのくらいうまく提供できているかなどを考えていきます。

WhyとHowを強化し、届き方をデータでしっかりと可視化

現状、Howコンテンツをリッチに提供しているサービスは沢山ありますが、著しい成長をとげるサービスや顧客数が多いサービスでは、むしろWhyコンテンツへのデリバリーが極めて重要視されています。Howコンテンツでいくら機能が充実しているかをプッシュしても、それは企業側のエゴでしかありません。顧客は実現したい未来にたどり着くための手段としてサービスを利用します。

よって、顧客にそのゴールや目的意識を再インストールしていくためにはWhyコンテンツの強化は必須になります。また、プロダクトや周辺知識を含めたHowコンテンツについても、単に提供するタッチポイントを用意するだけでなく、どの程度顧客に到達しているのかを測定していく必要があります。顧客は思っている以上に、提供するコンテンツを見ていません。それを前提にタッチポイントを整理していくことが重要です。

(奥村さん作成資料より、抜粋)

成長企業様には、お客様にWhyとHowのコンテンツがどのように届いているのかについて、勘や経験ではなくきちんとデータを測っているという共通点があります。

コンテンツがWEB上にあるかだけではなく、PV数や、顧客単位・アカウント単位で誰がどう見ているかについてデータをきちんと取得しています。アカウント単位でデータを取得できるようになるとお客様の理解の仕方が全く変わってくるので、ここまでできるかどうかが重要になってきます。

良いモノを作るだけでは売れない時代だからこそ重要なカスタマーサクセス

加えて、Whyの重要性についてお話します。昨今では機能やプロダクトの優位性で勝負するのが難しい時代になっているため、プロダクトが未熟であっても提供する世界観、顧客体験でいかに勝負できるかが重要になってきます。米国のSaaS企業の90%がコミュニティを提供していることや、エンゲージメントを測定しているという事実からもわかるように、サービス全体で提供するサクセス体験が重要です。

まとめると、カスタマーサクセスという観点から事業が成長・拡大していって、解約率を下げていこうとした際に、データの可視化が重要です。ヘルススコアで取るべきデータはNPS等の顧客満足度や、サービスの活用率、エンゲージメント、それから顧客の推進者数と真の推進者数なども含める必要があります。

弊社ではコミュニティを起点にカスタマーサクセスを提供しています。WhyとHowのコンテンツがどのようにお客様に届いているのかという可視化目的で導入いただくこともあれば、コミュニティを起点としたユーザー同士のつながりや、そこでの事例の共有によってお客様がセルフサーブできるような仕組みを構築するために導入いただくこともあります。

属人的になっていたり、担当者の感覚ベースで判断する中で本質的な価値提供に時間を割けないといったカスタマーサクセスの課題が多く存在しているかと思います。弊社のサービスはそれに対して、お客様のアクションデータをタイムライン化してデータを収集して、データに基づいたカスタマーサクセスを推進することをご支援しています。お客様1人1人の課題に寄り添ったサポートを自動化してセルフサーブで解決できる環境を提供しています。

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執筆:cxin

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