秋だっ!!ベーシック秋のCS大相談会!

2023-07-24 イベント

2020年10月29日に開催したオンライン対談イベント『秋だっ️!!ベーシック秋のCS大相談会!』では、ベーシック社より、先日カスタマーサクセス部 部長に就任された秋氏にご登壇いただき、弊社CCOの小父内がモデレーターを務めました。

イベントでは、秋氏がこれまで行ってきたカスタマーサクセス施策とその成功や失敗について、事前に参加者様からヒアリングした実際の問題も取り上げながらお話しいただきました。

今回イベントに参加できなかった方にもお楽しみ頂けるよう、本レポートではイベントの内容をダイジェストでお届けします。

秋 在淳 氏 (以下、秋)

株式会社ベーシック SaaS事業部 カスタマーサクセス部 アカウントマネジメントグループ マネージャー(イベント時。現在はカスタマーサクセス部 部長)
Web制作会社やベンチャー企業の立ち上げ、起業を経て2016年に株式会社ベーシックへジョイン。フィールドセールスマネージャーから、アカウントサクセスチーム立ち上げのためカスタマーサクセス部へスイッチ。現在はアカウントマネジメントグループのマネージャーを務める。

Twitter:@jaesoon_aki
note:https://note.basicinc.jp/n/n33053f98d7f6

自己紹介とferret Oneについて

秋:
株式会社ベーシックで、カスタマーサクセス部アカウントマネジメントグループのマネージャーをしております。

私は新卒からずっとセールスに従事しており、転職してベーシックに入社した時も、最初はセールスを行っていました。その後、ハイタッチ組織の立ち上げというところから、カスタマーサクセスに携わり始め、現在2年弱になります。

ただ、新卒の会社は営業会社でありながら、自分でサポート業務もするような体制でしたので、今振り返るとカスタマーサクセスの役割も自然とやっていたと思います。

今日は私がベーシックで行っているCSのお話をさせていただくので、前提としてferret Oneのご説明も少しさせていただきます。

ferret Oneには「Webマーケティングの大衆化」というミッションがあり、「BtoBマーケティングのプラットフォームになる」というビジョンのもと、Webマーケティングに困っているマーケターさんの悩みを解決するために、具体的なBtoBのリード獲得に必要な機能が全て揃ったマーケティングツールの提供を行っています。

ferret Oneの特徴は、簡単に操作できるCMSとマーケティング機能が備わっていることです。ツールを提供するだけでなく、Webマーケティングの設計段階から支援が可能なため、マーケティング担当者の手を煩わせることなく、最短距離で成果に導くことができます。

秋のCS大相談会1の代替テキスト
(秋さん作成資料より、抜粋)

その中でも今回はカスタマーサクセスの話をさせていただくので、サポートが充実していることもお伝えできれば思います。

小父内:
顧客側に入ってサポートをしているということですか?

秋:
はい。基本的には顧客側に入り込んで、かなりハイタッチでサポートしています。
サポート内容は無償のものと有償のものがありまして、テクニカルサポート、ウェビナー、定期検診などは無償でもサポートさせていただく範囲です。

有償になると、初期戦略設計、サイト公開、施策実行などもサポートさせていただきます。

今回は、オンボーディングに対する質問が多かったので、基本的な部分を重点的に説明していきたいと思います。

小父内:
そうなんです、事前アンケートをさせていただいた結果、断トツでオンボーディングが気になっている方が多かったんです。

秋:
皆様が気になるのはもっともで、私自身カスタマーサクセスで肝になるのはオンボーディングだと思っています。

ferret Oneでは、現在オンボーディングプランは2つあって、「①自分たちで出来るようになりたい」のか、「②伴走してもらいながら進めていきたい」のかで、選んでいただきます。
現状は、伴走型を選ぶ方が多いですね。

小父内:
ちなみに伴走型というのはCSのオンボーディングの伴走で費用をいただく、いわゆるコンサルティングフィーのような認識でいいですか?

秋:
そうです。

小父内:
今、何故このことを聞いたかというと、僕が元々いたSansanでカスタマーサクセスの肝になったのが、マネタイズの部分だったんです。

もちろん、カスタマーサクセスによって利益を拡大することが上手くいった事例もありました。しかし、色々な企業の方と話していると、カスタマーサクセスに費用を当て込むハードルが高いという声が多いですね。

ですから、秋さんの話を聞いて、ferret Oneはオンボーディングに非常に自信を持たれているんだなと感じました。
この後ゆっくりお話を聞けると思いますが、費用をいただくレベルのオンボーディングという認識でいいですか?

秋:
はい、仰る通りですね。

まだ有償に切り替えたばかりなのですが、非常に価値のある定期サポートになっていると思います。

ferret OneのCS体制については、色々な登壇の場でご説明しているのですが、昨年5月にオンボーディングの改善とハイタッチの組織を立ち上げました。
それまでは月次の継続率がかなり低く、半分以上の方は解約してしまう状態でした。

小父内:
かなりチャーンレート(解約率)が高かったんですね。

秋:
かなり高かったです。
そこをいかにして改善してきたかを、今日は皆様にお伝えしたいと思います。

実は、11月から大きな体制変更があるのですが、10月までの体制でいうとカスタマーサクセス部自体の構成はサポートグループが2名、アカウントマネジメントグループが6名、制作グループが3名です。
これは、正社員だけの人数ですが、この他に契約社員やアルバイトが10名ほど在籍しています。

また、“アカウントサクセス”という言葉は聞きなれないかもしれませんが、顧客との定期ミーティングを行うチームで、立ち上げした昨年の5月からずっと無償で行っています。

小父内:
どのくらいの頻度で定期ミーティングをしているのですか?

秋:
頻度はお客様によって違いますが、それぞれの状態に合わせて、2か月〜4か月に1回の頻度で設定しています。

顧客の活用レベルをもとに、社内独自のスコアを設定しているのですが、このスコアによって、設定すべき定期ミーティングの頻度を割り出しています。
個人的には、このスコア設定が大きな成果に繋がったのでは、と思っています。

その他の立ち上げ時の取り組みとしては、Uber Voiceというものもあります。

秋のCS大相談会2の代替テキスト
(秋さん作成資料より、抜粋)

小父内:
Uber Voice?

秋:
「お客さまの声を届ける」という思いから、「Uber Eats」の「Uber」をとりました。

顧客の声は、本来CSに集まるはずですが、元々はハイタッチ組織もなければ、顧客の声を集める取り組みもしていませんでした。
あと、顧客の声自体は集められたとしても、その声が、顧客が「自分が使うべき機能を知った上での声」なのか、「部分的にしか知らない中での声」なのかによって、意味が変わってくると思うんです。

ferret Oneは機能がものすごく多いので、全機能を使っている方はあまりいらっしゃらないのですが、正しく機能を使える状態に導くことで、お客さまから正しいフィードバックをいただける体制になったかなと思っています。

小父内:
多機能で難易度の高い商材だからこそ、ハイタッチによるコンサルフィーがとれるような体制が徐々に出来てきたということですね。

サービス商材によって、カスタマーサクセスの在り方も変わってきますよね。

ちなみに、Uber Voiceの仕組みはツールを活用しているのでしょうか。それとも、個別に顧客からヒアリングをするような形でしょうか。

秋:
ツールは使っていません。

日頃から、顧客の声を聞くように意識付けをしているのに加えて、ハイタッチチームは毎週5,6社と会っているので、そこで生の声を聴くことも出来ます。
そうして集めた声の情報をひとつのスプレッドシートで共有し、1週間に1回、カスタマーサポート部内でミーティングをしています。

Uver Voiceで集めた声は、セールスであれば導入事例、マーケティングであればバナーなど、マーケティング活動に活かせるように整理をして、各担当に伝えています。

秋のCS大相談会3の代替テキスト
(秋さん作成資料より、抜粋)

小父内:
ハイタッチの効果がプロダクトに反映出来るだけでなく、各社・各部署に対するメリットに繋がっているということですね。

他のSaaS系企業でも、CSのKPIにプロダクトフィードバックの本数を置いているところもかなりいる印象があります。
ここに関連して、最近、coorumを使ってフィードバックを集めることで大きな効果が出ている企業さんもいらっしゃいます。

コミュニティを通してお客さまの生の声が届くように落とし込むことが、シームレスなオペレーションに繋がっていくといいんだろうなと思いました。

秋:
ferret Oneでも、CSからの声でどれだけプロダクト改善に繋がったのかをKPIに置いています。また、顧客の声は数だけではなく質も重視していますね。
たった一人の声だとしても、かなり確信をついた声であれば、拾っていくべきだと思うからです。

このあたりのキャッチアップが出来る人材に、プロダクトとの連携をやってもらえたらいいなという思いがあります。

小父内:
気になっていたのですが、「もくもく会」とはなんでしょうか?

秋:
ferret Oneは「もくもくと作業をしていただく場」を用意しておりまして、それをもくもく会と呼んでいます。

ferret Oneを使っていくなかで、必ずわからないことや質問したいことが発生してくると思います。そうすると、サポートセンターに問い合わせをされるかと思います。
発生した問合せに対しては、必ず30分以内に回答させていただいていますが、それでも30分間は皆様の作業の手が止まってしまう可能性があります。
それを、その場で解決できるような場所を提供したいというから、もくもく会は始まりました。

具体的な流れは、約3人のサポート担当が必ずいるZoomを1日中開放状態にしていて、質問があれば声をかけていただき、ブレイクアウトルームを使ってマンツーマンで問題解決して、元の“もくもくと作業をする”メインルームに戻る、という形です。
参加される方は、サイトのリニューアルだったり、メルマガやLPを作成したりなど様々です。

小父内:
自由ですね!
先生がいて、自由に作りながら困ったら手をあげて質問する図工室みたいな感じですね。

それはオンボードだけではなく、いつもやっているんですか?

秋:
毎月行っています。

もくもく会は、そこで顧客が作業を出来るだけでなく、ハイタッチの本数も抑えられています。

定期ミーティングで顧客の状態をチェックして、「ここはもくもく会でやりましょうね」と誘導します。その後、できましたか?と状態チェックをする流れで、テックタッチからハイタッチまで絡めて取り組んでいます。

小父内:
これはとてもいいですね。

特に複雑なサービスや商材だと、新たなサービスや機能がリリースされたときに、そこも含めて提供できたらいいですね。
お客さまとの関係値が深くなれそうなのも魅力的ですし、各企業真似するべき、いい施策だなとイメージが湧きました。

秋:
ありがとうございます。
そうですね、非常に満足度の高いコンテンツになっています。

最後になるんですが、11月から新しい体制でサポートグループが大きくなり、CS企画グループという形になりました。

僕が立ち上げてきたハイタッチの組織は、ロータッチのイベントなども掛け持ちでやっていたのですが、とにかくお客様のサクセスに集中するような組織で人数も増やしています。
考える部分やロータッチの部分は、ソリューション企画が一元化してやっていくようにしています。

小父内:
CS企画はいわゆるCS OPS(Operationsの略)というイメージでしょうか?

秋:
CS OPSの業務もありますが、テクニカルサポートやデータ分析なども含まれます。

組織が強化されて、CS企画はアルバイトや契約社員含めて30名くらいになっています。

秋のCS大相談会4の代替テキスト
(秋さん資料より、抜粋)

小父内:
1年以上ハイタッチのサポートを続けたことで、ようやくこの体制にできるようになったという感じでしょうか?

秋:
そうですね、今はチャーンレートを低く保つことが出来るようになったので、更に売り上げを拡大していこうという部分にまで、CSが踏み込める体制を作ることができました。

ただ、ハイタッチ立ち上げのタイミングは先ほど見ていただいた通りで、契約継続率も少なかったので、まずはチャーンレートがKPIとしておかれるケースが非常に多いと思います。

秋のCS大相談会5の代替テキスト
(秋さん作成資料より、抜粋)

小父内:
こんな分かりやすいチャーンレートの図もなかなかありませんよね(笑)
おもしろいなと思うのが、5月に立ち上げたので6月7月で下がるのは仕方ないと思うんです。ここを放置していたらさらに下がっていきますよね。

半年で倍以上のチャーンレートを抑止できていることで明確に売り上げへの貢献度合いが分かるということですよね。

確かに、この成功事例があれば社内的なプレゼンスも当然ですが、「これは大事だよね」という投資的な判断もつきやすく、「強化しようよ」という話になりやすいですね。

秋:
2019年の11月12月が偶然だったと思われないように、2020年も継続してやっています。

小父内:
秋さんが1年6か月を振り返って、こんなに変わったのは何故だと思いますか?

秋:
そこでいうと、やはり事業全体としてCSの重要性に気付いて取り組めていたかどうかが大きいかなと思います。

お客様の声を聴いて改善していこうとか、事例として活用していこうとか、こういうお客様は成果が出ないからマーケとして獲得しないようにしようという風に、CSの声を中心に色々な事業が動くようになったことが大きかったです。

昨年の後半の半年間はパワープレイの要素もあったんですが、そこが結果として効いてきたかなと思います。

小父内:
すごく新しいというか、CS中心型の事業ベースというか。
モデルになるし、イメージが湧きやすいですね。

後半では、皆さんからの質問や事前アンケートを中心に、秋さんに一問一答でお話ししていただきたいと思います。

Q&Aタイム

小父内:
今回は事前に参加者の方から質問を回収させていただいておりました。

私がこれまでに色々なCS担当の方と話している中では、共通して上の3つを聞かれることが多いなと思っています。
下の3つは、組織の状態によって聞かれることが変わってきますね。

今回の事前アンケートで質問が多かったのは、数字の順となります。

秋のCS大相談会6の代替テキスト
(当日のイベントの様子)

せっかくなので、声の多いところからお話したいと思います。

回答いただいた皆様、ご協力いただき、ありがとうございました。多くのご質問をいただいたので、その中からピックアップして、カテゴリー毎に回答させていただきます。

オンボーディング

小父内:
秋さんにとって、オンボーディングはどのくらい重要でしょうか。”ここを押さえておけば”というものはありますか。

秋:
オンボーディングの定義は各企業によって変わると思いますが、私の中では、重要度はオンボーディングが一番だと思っています。

小父内:
僕も、Sansan時代含めて「オンボーディングがその後の8割を決める」と良く言っていました。初めの段階で、世界観や期待値コントロール、使い勝手を理解していただくことは、それぐらい重要ですよね。

実は、今回このイベントを開催するきっかけに、弊社も秋さんにご相談させていただいて、オンボーディングを組み立てていただいたという背景がありました。

弊社の場合は、2〜3ヶ月でオンボーディングを卒業すると定義しましたが、これは、秋さんから見て卒業までの期間として、いかがでしょうか。妥当な期間というのはあるのでしょうか。

秋:
3ヶ月は妥当だと思います。

小父内:
それ以上長くなるとカスタマーサクセスチームのリソース問題が発生したり、もっと言うと、3ヶ月掛けても出来ていないとなると、その期間にもっと出来ることがあったんじゃないかと思ってしまったりしますよね。

ここで、1つ目のご質問です。
「オンボーディングがきちんと出来ていれば、その後ノータッチでも定着するのか。しない場合は、なにをするべきなのか」という内容については、いかがでしょうか。

秋:
「ノータッチ」は、「テックタッチで(ハイタッチをせずに)」という意味で仰っていると思いますが、テックタッチのみで定着する可能性も、0ではないと思います。

チュートリアルやe-ラーニングのようなものを用意することは必要で、それをした上で、テックタッチのみでサクセスし切れるかは、プロダクト上のUI/UXの問題がかなり大きいと思います。
シンプルなサービスであれば可能かなと思うので、本当にプロダクトによりますね。

小父内:
ferret Oneの場合は、オンボーディングではどういったことをされますか?

秋:
「Webマーケティング」はサイトを作るだけではないので、サイトを作る以外に必要なマーケティング施策を考えるために、初期設定やペルソナやカスタマージャーニーマップを作るお手伝いをしたり、実際にどういう施策をまわすのか作戦会議をしたり、多岐に渡ります。
それらの中から何か1つ、ferret Oneの機能を使って施策を回し切って、成果を上げるところまでがオンボーディングになります。

小父内:
どこに定義を置くかがすごく重要ということですね。それを定義出来れば、3ヶ月でそれをどうしたら達成できるかという話に逆算できるので。

それでは、2つ目の質問です。
「オンボーディング期間の3ヶ月が終わって卒業した顧客に対して、アプローチ方法が確立出来ていない。」

ferret Oneでは、卒業後の施策はどういうことをされていますか。

秋:
オンボーディングが終わったあとは、アカウントサクセスチーム(ハイタッチチーム)への引継ぎをすぐ行いますが、そこの引継ぎをとても重要視していて、卒業後も定期的に来ますという話はしています。

また、ウェビナーやロータッチのコンテンツをメルマガでご案内することもしています。

何かしらのロータッチコンテンツもしくは、ハイタッチを3ヶ月1回ぐらい活用されていないと活用レベルが下がるというデータが出ているので、顧客状況をデータで見ながら、それを基準にタッチしていっています。

小父内:
3ヶ月の期間を経ても、オンボーディングの定義を達成出来なかった・卒業をしなかった顧客に対してはどうされますか?

秋:
卒業までオンボーディングチームがやりきっているので、今は卒業しないということは、ほぼ発生しないです。

たまに、1ヶ月ぐらい期間を延長させて欲しいという話はあるので、そういった時は、リソースを見ながらにはなりますが、対応することもあります。

最初からこの状態だったわけではなく、1年前ぐらいは卒業出来ない顧客もちょこちょこいました。そういう状況だと、なかなかサイト公開に至らないとか、顧客側でかなり工数が掛かることになるので、解約になってしまうことが多かったですね。

小父内:
オンボーディング出来なかったということは、この先解約になる可能性が高いというファクトがあるのかもしれないですね。

他の企業とも同じ話をしたことがありますが、そこは、そういった顧客に対してはノータッチですと言っていました。追いかけてもダメなことはあると。それよりも、今残っている方々を大事にしたいというのは名言だなと思いました。

秋:
割り切るのは1つありますよね。

勿論、何故使ってもらえないのか、何故オンボーディングしてもらえないのかは始めに徹底的に議論しました。
オンボーディングプログラムを変えなければいけないとか、セールスに伝えなくちゃいけないのかとか。

僕もずっとセールスをやってきたので、この粒度でセールスに戻しても「0→1がどれだけ大変だと思っているんだ」と思わせてしまうなとかもわかるので、コミュニケーションの取り方はかなり工夫をしてやっていました。

立ち上げ

小父内:
次はCSの立ち上げについてです。

「ハイタッチのアプローチが始めたばかりで、何から始めて良いかわからないです」
なにから始めたら良いですか?

秋:
顧客の成功とは何かを明確に定義するところだと思います。どこに導くべきなのか共通認識を持っていないと、サポート的な対応になってしまいます。カスタマーサクセスはとにかく攻めることが重要だと思っているので、攻めるにはゴールがないと出来ないですよね。

小父内:
先程と一緒ですね。ゴールを決めて、スモールステップでどう逆算してスモールゴールを設定できるか、そしてそこにどうやってアプローチするか。

ハイタッチ顧客へのアプローチは、ferret Oneの場合はなにをされていますか?もくもく会がそれになりますか?

秋:
今で言うと、講座レクチャーの動画コンテンツもかなり有効かなと思います。

小父内:
私も最近、CSの立ち上げをやってきた方々と過去に戻ったらなにをするかという話を良くしますが、みんなCS OPSやデータ分析・コンテンツ作成に0.5人/月を絶対に割くという結論になりました。0.5が適切かは別ですが、コンテンツを溜めて行く必要は絶対にあるよねと。

秋:
それはありますね。後になればなるほど、大変になってくると思います。

KPI

小父内:
3つ目のカテゴリーはKPIです。

「効果測定の方法・ROIについて、教えてください。」
ferret OneでのKPIはどういったものを置いていますか?

秋:
もちろんチャーンレートですね。ただ、それはCS部全体で置いているもので、各メンバーにはその目標を達成するためにやらなければいけないミッションを設定してもらっています。

その中で重要視しているのは、顧客の活用レベルですね。そこがチャーンレートに1番フィットするので、活用レベルを上げて行くことが1番のKPIです。

例えば、オンボーディング完了時点で活用レベル3以上でパスをするとか、自分の担当者の活用レベル3以上を80%以上にするとか。
11月から大きく変わるのですが、見る指標はそのあたりになります。

小父内:
活用度とは、ヘルススコアのことですね。
そこを落とし込んでいくと、活用レベルを図るためのもっと小さなKPIがあるということですね。その辺りについて、もう少し教えていただけますか。

秋:
初期のアカウントサクセスのメンバーの「小さなKPI」は、訪問数やミーティング数でした。それを「何社以上タッチする」ではなく、「何社以内でタッチする」という目標にしていました。

例えば全てのお客様にタッチすれば、解約はしないかもしれませんが、限られたリソースの中で、それは現実的ではないですよね。
そうなったときに、どういうサポートを活用していくのかを考えて、自社の顧客担当をして欲しいというのを見せていたりします。

小父内:
今、活用レベルは何段階ありますか?

秋:
今はLv1〜4までの4段階です。
このレベルを決める指標がいくつかありますが、今までの傾向から、3以上でないと解約しているというデータがありました。
そのデータとは別にターゲット区分があったので、それらを組み合わせて訪問の頻度を調整していました。

11月からはもう少し細かくして、活用レベルとアセスメントの中でそれぞれタッチする項目を変えていこうと考えています。チャーンレートだけだと、セールスが受注してくる数によっても変わってしまいます。それだとCS部のなかでコントロールするのが難しいので、前段階の指標が重要だなと思います。

小父内:
今、秋さんはカスタマーサクセスでこれをやりたいというのはありますか。

秋:
とにかく、CS部として一定のチャーンレートを維持することができるようになったので、CS部で売上げをつくることは取り組みたいです。

その上で、ハイタッチ組織がそこに注力出来る体制を作りたいなと思っています。新しいことというよりも、体制をより強化していくことをやりたいですね。

あとは、コロナで止まってしまっていますが、サクセスしている顧客が増えているので、ユーザー会やカンファレンスはしっかりやっていきたいですね。

小父内:
そうですよね。
カスタマーサクセスの行き着く先はコミュニティだったり、より密なところになっていきますもんね。
その際には、是非coorumをお願いします。

最後に、秋さんにとってはカスタマーサクセスとはなんでしょうか。

秋:
これからなくてはならない存在ですし、1番花形の職業だと思っています。

本当に攻めの姿勢が非常に求められると思うので、社内理解を得るのはなかなか難しいと思いますが、自信を持ってサクセスを推進していっていただきたいなと思います。

Shinya Kojiuchi

株式会社Asobica CCO
2010年、名刺管理システムのSansan株式会社に入社。データ化部門責任者を経て、名刺アプリEightのコミュニティマネージャーへ。現在は、株式会社AsobicaにCCOとして参画中。

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