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立ち上げ1年。必要とされるCS部門になれた秘訣とは

本記事は「成長中SaaSのカスタマーサクセスの中を覗いてみよう」の第1回です。

中小企業向けビジネスチャット「Chatwork」を開発・提供しているChatwork株式会社。導入社数30万以上と圧倒的な数にも関わらず、カスタマーサクセス部(以下CS部)が立ち上がったのは2020年1月と意外にも最近のお話でした。

今回は立ち上げ当初からCS部でご活躍されている大河内さまにお時間をいただき、Chatwork社のCS部がなぜ立ち上がり、どのような試行錯誤を経て組織拡大フェーズに突入したのかをお聞きしました。

Chatwork株式会社 ビジネス本部カスタマーサクセス部 大河内 唱平 氏
福島県出身。実家は卸売業を代々にわたって経営。2011年4月、営業支援ツールを展開しているソフトブレーンに新卒で入社。導入後のコンサルティング業務を大手企業相手に手掛ける。その後、シルバーエッグ・テクノロジーに転職。ECサイトでのレコメンドエンジンの提供を通じて、顧客の事業拡大に伴走した。2017年10月にChatworkへ業務委託で入ったのち、11月に正社員としてジョイン。入社後、セールス・マーケティング・インサイドセールス・フィースドセールスを経験し、2020年にカスタマーサクセス部を立ち上げ。現職に至る。

当記事は連載「成長中SaaSのカスタマーサクセスをのぞいてみよう」第一弾としてお届けします。

CS Profile@Chatwork

解約もクレームもほとんどない異色のプロダクト

ー はじめに、Chatwork CS部のミッションや追いかけている指標をぜひ教えてください。

我々CS部のミッションは企業ミッションと同じく、Chatworkを通じてお客様の「楽しく、創造的な働き方」を実現すること、そしてお客様の事業成長に貢献する提案をおこなうことです。指標としては「無料プランからの有料転換数」「アップセル数(既存顧客からの追加ライセンス獲得数)」「解約数」の3つを追っています。

指標には入っているものの、解約はほとんどありません。解約どころかクレームすらほとんどないのがChatworkの特徴です。無料プランを体験してある程度気に入ってくれた方が購入してくれるため、そもそも満足度が高い状態で顧客となるんですよね。僕がCSを経験するのは3社目ですが、「愛されているプロダクトだな」としみじみ感じます。

待っていてもお客様からお問い合わせはきませんし、「困っていることはありませんか?」と聞いても「なにも困っていません」と返ってきてしまう。だからこそChatworkのCSはお客様に気づきを与える+αの提案を持っていかなければならないという難しさがあります。他社の事例をお見せしながら「ちなみに御社ではこういう取り組みをされていますか?やらないともったいないですね!」といった提案をすることが多いですね。

ー CS部にはどのくらい人数がいますか?部内での役割分担についても教えてください。

Chatwork CS部の組織体制
Chatwork CS部の組織体制

現在はマネージャー1名、ハイタッチが僕を含めて3名、テックタッチ1名の計5名が在籍しています

ハイタッチはお客様と直接コミュニケーションをとる仕事です。相手が中小企業か大手企業かによって提案のスタイルや求められるスキルが異なるため、ハイタッチの3名は企業規模別に担当分けしています。僕はおもに従業員300〜1,000名規模の大手企業様への提案を担当しながら、最近はマネージャーとともにCS部拡大に向けた組織作りも担っています。

一方でテックタッチはお客様と直接接点はもたず、導入事例記事やウェビナーなどコンテンツ作りをおこなう仕事です。最近だと、「Chatwork School」という契約者向けメディアを立ち上げました。ハイタッチメンバーがお客様から聞いた話やウェビナーでお客様にお話しいただいたことをすべてテックタッチメンバーへ集約し、コンテンツ化してここにアップしています。新規契約者様からの満足度が非常に高く、何度も訪問してくださる方が多数いらっしゃいますね。

「CSがいなくても売れたんじゃない?」という認識をどう変えるのか

Chatwork社の組織図(一部)

ー CS部が立ち上がったのにはどのような経緯があったのでしょうか?

Chatworkはもともと営業すらいない、プロダクト力で売ってきた会社でした。組織拡大に伴いようやく営業チームが生まれ、マーケティング、インサイドセールスの順に整備されていき、2020年1月にCSが立ち上がった……という経緯です。

立ち上げ初期はSansanさんやベルフェイスさん、freeeさんなどあらゆるSaaSの先輩CSのみなさんにたくさんヒアリングの機会をいただき、ひたすら勉強しましたね。また、とにかく成果をあげてCSの必要性を組織内で理解してもらうことに注力しました。無事に一定の成果を出せため、2年目にあたる今年は人数を増やすべく、組織作りに重きを置いています。

ー 立ち上げ当初、社内からの理解は得られにくい状況だったのでしょうか?

そうですね。もともと営業がいなくてもプロダクトが売れていたような会社なので、「それCSがフォローしなくても売れたんじゃないの?」と思われている節は正直あったと思います。それにビジネスチャットはまだまだ成長市場なので、顧客フォローよりも新規営業に注力したほうがいいのではないか?という考えも社内にはありました。

しかし現在は、CSの必要性が社内から認められてきていると感じています。開発側から「こんな機能を開発しようと思っているんだけど仕様はこれでいいと思う?」という質問がきたときに明快に回答できるようにする。リリース後の反応も僕たちがしっかりフィードバックする。営業側には新規営業に役立つようなお客様の課題や成功事例を共有していく。……CSが一番の顧客理解者となり、こうして社内に対してフィードバックを続けていくことで、ようやく必要とされる部門になれたと思っています。

僕らの商談はいつもフルオープンにしているんですが、最近ようやく他のチームから「CSの商談に同席してもいいですか?」と声をかけてもらえるようになりました。嬉しい変化ですね。

CSは教える仕事ではなく、教えてもらう仕事

ー 大河内さまがCSにおいて大事だと思っているポイントをぜひ教えてください。

先ほどの話にも通じますが、「お客様の生の声を社内外へ届けること」が最も重要だと考えます。たとえば最近はお客様に登壇いただき、Chatworkの導入背景や成果をリアルに語っていただくウェビナーを毎週のように企画しています。

先日とあるウェビナーで「チャットを定着させるためのポイントは、チャットに対する認識が年齢層によって異なることをまず理解することです」と語ってくださったお客様がいて、僕自身非常に衝撃を受けました。なるほど、お客様が悩んでいることってチャットの使い方ではなく、チャットに対する認識を揃えることだったんだな……と気付かされましたね。CSも営業もつい機能を説明しがちですが、その意識を変えていかなければないと感じました。

あくまでCSは自分が先生になるのではなく、お客様から教えてもらう。教えてもらったことを周りのお客様にも伝えていく仕事なんだと思います。そこさえ間違えなければうまくいくんじゃないかな、と思いますね。

お客様とともに働き方のスタンダードを創る

ー 今後のChatwork CS部の展望をぜひお聞かせください。

これからどんどん人を採用して組織を拡大させていきます。CSの存在感はもっと増していくでしょうね。

個人的には、営業よりもCSの比重を高くしたほうがうまくいくと考えています。なぜならChatworkはお客様からのご紹介で導入するケースが非常に多いからです。顧客フォローさえしっかりやっていれば新規顧客が入ってくるし、顧客フォローが甘ければ新規顧客も入ってきづらい。「CSがいなくても売れる」のではなく、「CSがいなくても売れたんだから、CSに注力すればもっともっと広まるはずだ」と確信しています。

ー 現在組織を拡大中とのことですが、どのような方を採用したいですか?

CSってまだまだ希少な職種なので、経験者の採用はほぼ不可能に近いですよね。なので採用基準は「お客様に向き合うことが大好き」「お客様のためならとことん頑張っちゃう 」といった顧客視点を持っているかどうかを重視しています。

あとは、 「もっとこんなことできないの?」とお問い合わせいただいたときに「できません」と回答するのではなく、現状の仕様で100点は出せずとも60点をとれる提案をお客様と一緒に考えられる人。ツールを定着させようと社内で動いてくださったがんばりを察して褒めることができる、ヒアリング力よりも傾聴力のある人こそ、CSで活躍できる人材だと思います。

ー 最後に、大河内さんがChatworkのCSとしてこれからチャレンジしたいことをぜひ教えてください!

コロナ禍で働き方が急速に変化しているいまだからこそ、もっともっとお客様に寄り添い、Chatworkのミッションを感じてもらえるような提案をどんどんおこなっていきたいですね。近い将来、どの業界でもチャットで仕事をするのが当たり前な状態にしていきたいと考えています。そのスタンダードを創るのがChatworkであり、その立役者はお客様と我々CS部です……と、胸を張って言えるようになりたいですね。

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齊藤 麻子(まこりーぬ)

執筆:齊藤 麻子(まこりーぬ)

しばしばマーケティング関係の取材記事を書きます。本業は株式会社LIGのマーケター、ご縁あって複数の会社で副業中。

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